ヨルシカ「ただ君に晴れ」と夏の星空

ヨルシカ「ただ君に晴れ」と夏の星空

ヨルシカを知ったのはいつだったか忘れちゃったけど、気づいたらドはまりして、当時新品で買ったYouTube対応40型レグザで延々と観ていた。

本日はちょっと、ぼくの独り言をたれ流そう。いつも独り言ばっかり言っているという話は置いといて…

ヨルシカとsupercell

若い人にどういう風に聴かれているのか分からないけど、ヨルシカの曲を僕のような30代のおじさんが聴くと、物語シリーズの音楽を思い出す。

ヨルシカさんはn-bunaというボカロPがsuisさんという女性ボーカルと組んでいるユニットである。

物語シリーズの代表曲と言えば言わずもがな、supercellの「君の知らない物語」だ。

2009年の発表ということで、すでに10年経っているということに驚きを隠せない。

この事実にむせび泣く30代のアニメ・サブカル好きの生きる屍の声が聞こえるぞ。

さてこのsupercellは、ボカロ勃興期の2000年代後半に誕生したクリエイター集団。

初音ミクの「メルト」を生み出した ryoさんを中心に集まったクリエイターが、数々の作品を生み出し、僕たちを魅了したのである。

思い出す。

ヨルシカもsupercellも、聴くと夏の星空を思い出す。

夏の星空に何があるというのですか

物語シリーズには、キャラクターが夏の星空を見に行くシーンがあって「君の知らない物語」の歌詞にも出てくる一節がそのまま使われている。

あれがデネブ・アルタイル・ベガ

夏の大三角だ。夏の星空と聞くだけで、あぁそれはもう切なさがこみあげてくる。

そういう感じを、そういう感覚を、もうすっかり忘れていた。

20代の頃、まだ可能性に満ちていたように思っていた自分は、夏の星空に自分の可能性を見出していた。

そしてその可能性を、自分で閉じた。

簡単に言えば、夢ではなく現実を取ったのだ。いや、気づいたらもう、夢を見ることなんてなくなっていたというのが正しい。

期待値を下げることを覚えたからだ。

高い理想は時に日常を滅ぼす。現実とのギャップに折れてしまうからだ。

それが、この、ヨルシカ「ただ君に晴れ」を聴くと…

可能性を信じたくなってくる。下げた期待値を上げたくなってくる。

自分のやっていることをもっと追及したいと思えてくる。

そういう曲に出会えたことは、とても幸運だと思う。

「ただ君に晴れ」

僕に晴れが訪れることはあるのだろうか?

それは分からない。

だがこの曲は、僕の新たな夏に、一息ついて夢を見ることを許してくれる。

絶えず人いこふ夏野の石一つ

正岡子規の俳句が現代で引用され人々を魅了しているように、自分自身の昔の夢を引用して、新たな夢を見るのもいいのではないか?

そんな風に思えてくる。

また夏が来る。

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